>>がたがたでもなくぶるぶるでもなくぎしぎしと鳴るんだ、わたしのからだ。

 

止まぬ雨音に頭を垂らす
無意識の間にがたがたと震える体を抱いて静かに静かに座り込んでどれだけたったのか、麻痺したような思考は働かずにいる。


止むのは何時だろう


眠れない夜雨の闇
この体が朽ちるのを止めない日。
あぁ今日も雨、わたしが軋む。

(雨音が壊した日)

 

 

 

>>そうだ、君の口癖はいつも、消えそうな笑顔と一緒。

 


再三言われ続けた言葉と言えば、馬鹿。すぐさま脳裏に浮ぶのは、これだ。
「馬鹿だね、」とか「馬鹿だなぁ」とか「もう、馬鹿?」だとか。
いつも何時でも、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿言う。
それが、双子の弟というのだからなんだか、むかつく。
俺よりもしっかりしてると自負しているらしい弟はやはり今日もにこりと笑って、少し呆れたように笑いながら。馬鹿だね、戮。と、言っていた。

再三言われ続けた言葉と言えば、阿呆。すぐさま脳裏に浮ぶのは、これ。
「あぁもう、阿呆!」とか「阿呆か!」とか「…阿呆?」だとか。
いつも何時でも、阿呆阿呆阿呆阿呆言う。
それが双子の兄というのだからなんだか、癪だった。
俺よりもヘタレで目が話せないのにそれを自負しては居ない兄はやはり今日も少し機嫌が悪そうに、笑いながら。阿呆か、江夜め。と、言っていた。

(雑音叙情詩)

 

 

 

>> 「…なんか2人って似てるよな。」「「そうでもない(です)よ?」」「…ぜぇっってー似てる…まじそっくり…(溜息)」

 

ありしひのふたご。
ありしひのおやこ。

「うーんと、新良、さん?」
「はいはいなんですか…江夜君。」
「あれ?よく解りましたね。」
「これでも一応、君たちの父親…恭哉に日々『いいだろー紅泉―、これ俺の子だぜー、まじ羨ましいだろなぁもう…まじ可愛いマイエンジェル!!』とかいいつつ写真を見せびらかされそして呪いの様に歌い聞かされていましたからね。」
「…………マイエンジェル…ぶっちゃけヒきますね。」
「おやそうですか?そうでもないような気がしますけど。」
「新良さん、犯罪者にはならないでくださいね、俺の大事な兄を巻き込んで。」
「おやおや犯罪者だなんて褒め言葉ですか?もう犯罪者の枠は通り越したと思うんですけどね、僕。」
「…(あなどれないと思っている)」
「…(ちょっと楽しいかもと思っている)」
「………なぁ、なにやってんだよ、ふたりして。」
「「なーんにも」」
「…(笑顔に騙されそうになった自分を叱咤している)」

(雑音叙情詩)

 

 

 

>>夕凪を斬って泳ぐ魚について。

 

空高く舞い躍る金属の塊は白く足跡を濁しながら来たりて去りゆく。
こんな些細な空に映る変化も、もうあいつは見れないのか、なんて。
「真壁ー、問5ー。」
「…27.35です。」
感傷的な気分になりながらも、ちゃっかり夕飯の献立なんかを考えたりもしていた。
そんな午後2時45分。授業終了まで、あと25分。

(蒼穹のファフナー)

 

 

 

>>微笑めば世界は凍り、交差すれば瞳は凍りつく。

 


「しょーちゃあーん」
「気色悪い。」
「…そんなあからさまに人を見下すようななんかそんな感じの目線はやめてよしょーちゃん」
「いい加減、その、しょーちゃんとやらを、取り消せ。」
「いや。」
「…………」
「あーわかったよ!わかったから、ね、ねしょーちゃん、オレンジジュースはい!はいオレンジだよ!!」
「………ふん、」
「(あ、これで許すんだ…)」

(オリジナル)