>>君の姿が見えない此の狭い狭い壊れた楽園で、僕は。

 

堪えることしか出来なかった痛みを、爆発させたのは。
多分ほんの、些細な亀裂。


君が消えて。
僕は。




おかえりの一言さえもまだ、言えぬままだけれども。
それでもこの痛みを君が中和してくれるのならば、僕はこのまま君とシンクロしたまま、戦って見せよう。


それが、痛みを抱えて後方から見ていることしか出来ない
僕の償い。






流した涙はもう誰にも気付かせないよ。
(蒼穹のファフナー)

 

 

 

>>ソレが君の証で、ソレが僕の存在理由。

 

眼前に広がってたもの、残酷すぎた惨劇。


「あー駄目。もー駄目、俺まぢしんじゃうー。」
「…何が如何して駄目なんだよ」
「理由なんか説明してたらもーやばいかも?」
「わかんねぇよ」
「っだ!」

「お前!屍になる一歩手前のいたいけな美少年になんて事を!」
「……さっきまで机で溶けてたワリには立ってるし元気だよな、確実に。」
「………!!!」

「大体お前、其の台詞を何回言ったと思ってる。」
「え、わかんない。」
「本日通算14回目だ」
「うわー俺すごいね、破滅的な忘れんぼサン?」

「……満面の笑みを浮かべながらまた机に沈まれると寧ろ恐怖なんだが。」
「うるへー、冷徹野郎は黙ってろー」
「………。」
「…ってまた!イテェんだよお前の攻撃は!」
「………。」
「…無言攻撃も痛いナー…。」

「……根源は弱さを見せまいとして頑なに強がる自分にあることを忘れるなよ」
「へいへいわかってますよ。」
「本当か」
「……半分嘘かも?」

「………馬鹿には難しかったか。」
「…もういいよお前、黙れ。」
「嫌だな。それならばお前が黙れ。」
「………あぁもう解りましたよー…泣いちゃうよ?泣いちゃって良いの?」
「ご自由に?」


流した涙を、決して、無駄になどしない。
(オリジナル)

 

 

 

>>we are go to...

 

「…………」
「…アゼル?どうしたの?」
「いえ…本当に、大魔方陣が成功するのかなと、思って…。」
「何馬鹿な事考えてるのよ、平気に決まってるでしょ?」
「それに、俺達がいるんだから、成功しない方が可笑しいだろう?成功、させるんだ。」
「…そう…ですね、隊長!」
「……何拗ねてるのよ、ハレン。」
「…とことん現金な奴だと思うんだがな、アゼルは。」
「気にしちゃ駄目よ。」

「隊長!僕はずっと隊長に着いていきますからね!!」
「アゼル、何度も聞いたぞ、其れは」
「何回でも言いますよ!」


「……!!!!!」
「何だ、如何したアゼル。」
「た…隊長………僕やっぱり帰ります!!」
「何…?」
「大凶…大凶がー…!!」
(マグナカルタ)

 

 

 

>>哀しみに明け暮れる日々を捨てる覚悟を持て。

 

此の哀しみが枯れる事は無いのだろうか



「恭哉。」
呼ばれた声色が何時に無く暗い。
反応が遅れたのは其のせいでも、あった。
「…其の名前で呼ばれたの久しぶりかもしんね……」
「俺はもう、忘れた。」
「…別に、困んないんじゃねぇの?別に。どうせ生まれ変わるの決定事項だし。」
「確かに、そうかもしれないな。」

生まれてきたこと。

此処に存在する世界。



全てを、恨んだ。
恨んで恨んで、

「……しゃーねぇな。俺達の、未来のためなんだし。」
「転生したくても此処が壊れていたら居なくなるのだからな。」
「それだよそれ。俺が一番ショックなの。」
「其の割には玄と喜んで殺っているじゃないか。」
「仕方ないだろ、あいつらは“敵”だ。」
「俺達から見ただろう。」
「まぁなー…。」

例えばこのまま雨が降れば良い。
例えば其の雨が全てを洗い流せば良い。


「…さて、行くか。何時までも黄昏てると、あとから玄が怖いもんな。」
「遅いな、もう黒かったぞ。」
「…………ゲ、マジで…?」



そうすれば少しでも此の哀しみによる痛みが和らぐのだろうから。


「んじゃ、帰るか。」
「……あぁ。」





降らぬ雨と叶わぬ願いを、俺は女々しく祈るように。
縋って生きてる。
(オリジナル)

 

 

 

>>慟哭

 



「総士」




名前を呼べば、たまに見せる笑顔で答えてくれたのに。

「何だ?一騎。」




解り合えて。
君の背負う重荷を、少し学んで。
あぁそうだ、“思い出”だって、作ってる途中だろう?
不器用な仕草でほんの少しずつ傷痕を埋めるように

やっと。





やっと解り合えたのに。






「総士、総士…総士総士っ………総士ィィィーーー!!!!!!」






ねぇ。

名前を呼んで、微笑んで。
(蒼穹のファフナー)