>>冒頭逃走。

 

「ふむ。」

「…大佐、あれ何してんですかね。」
「知りませんよ…大方また仕事もさぼって、何かしているんでしょう。」
「いいんスか?」
「あと10分したら、撃ちます。」
「…(俺しーらね…。)」

(鋼)

 

 

 

>>首斬回廊

 

ぼくが存在するのが何故なのかぼくはわからないからぼくは彼女の隣に居ることを選択して。

選択して、ぼくは。






そしてサイクルが止んだ。
(戯言)

 

 

 

>>安穏とした日々に埋れていた生温い記憶

 

「ねー。」
「……」
「…ねーってば。」
「……」
「こら、少しは反応しなさい。」
「痛い。」
「よし、反応したね。」
「半ば本気で後頭部を殴られたらどんな奴でも反応する。馬鹿が。」
「失礼だなぁ…俺此れでもお前より優秀なのに。」
「だから気に食わないんだ。」
「あ、そ。…まぁいいけど。俺は気に入ってるもんね。」
「ますますタチが悪い。というか、何故お前は此処に居る。」
「もー殺してきたもん。」
「もんとか言うな、気色悪い。大体お前、血の匂いが濃すぎる。ばれるぞ。」
「別に此処だしいいんじゃないの?」
「…まぁいい。お前に常識を話したところで通じないのは奴から既に聞いている。」
「…ねぇ、それすごいなんか傷ついたよ?俺いまちょっと傷心しちゃったよ!?」
「あぁもう五月蝿いから…飯を食いたいならば少し静かにしろ。俺が騒がしいと判断したならばさっさと食堂から放り出すからな。」
「…あれ?今の暗に一緒に遅いランチにお供していいってこと!?え、本当!?しょーちゃんと一緒ー!?」
「しょーちゃんじゃない、翔弥だ!!誰がしょーちゃんか!!」
「じゃー俺はひーちゃんでいいからね!」
「お前なんぞ馬鹿で十分だ。」
「酷いよしょーちゃん。」
「………そんなに殺されたいかお前は…!!!」

(オリジナル)

 

 

 

>>A Summer Of Love!!

 

+暑中見舞申シ上ゲマス+
―――――――――――――――――――――――

それもこれも何もかも

原因はこの目の前を飛び跳ねる少女にあるのだと。
ようやく、悟った。




A Summer Of Love!!




「ふふ、総士も一騎も、早くー!」
駆け回ると揺れる黒髪を少し虚ろな目で見つめながら、横で同じくどこかにイってしまっている兄に声を掛ける。
「何でまた…海……?」
「頼むから、僕に聞かないでくれ…悲しくなるから…」
「また負けたのか…」
「…だからそんな哀れむような目で見ないでくれないか。悲しくなるから。」
がっくりと肩を落とす男、名を皆城総士。
彼が妹であり島そのものである皆城乙姫に勝てないのは、周知の事実である。
大方、また言い負かされたのであろう。

「…暑い……。」
かざした掌を透かして尚突き刺す日差しを、ぼんやりと眺めた。
「仕方ないだろう、夏だ。」
「いや、それは誰もが判ってるから…。」
やはり、危険域に達しているらしい。脳が沸騰していないか例しに腰を下ろした総士の額に手を伸ばす。
「あぁ、平気だな」
少々安堵した息を吐くと、真横から意気消沈した様な声が這う。
「…………一騎、」
「何?」
「こう言うときはやはり額同士をくっつけるべきだろう。」
…前言撤回。

「…総士、



溺れてきて。」













「あれ?一騎君?皆城君と乙姫ちゃんと海行ったんじゃなかったの?」
「二人ならなかよく遊んでるよ。」



「総士馬鹿だね」
「照れるのはいいんだがこの仕打は…ごぼがばッ」








……お暑いことで。
(蒼穹のファフナー)

 

 

 

>>障壁を越えた先。

 



「夏だなー。」
「…………。」
「…明日から外は皆仕事だろー?」
「…………。」
「…お休みってのも終わるんだろー?」
「…五月蝿い黙れ。用件は遠回りして言うな。はっきり完結に言いやがれ。」
「察してよー。俺外出たいんだってば。お休み前日なんだろ?どうせ浮かれきってるから俺みたいの紛れてても別に平気じゃないの?」
「…お前は馬鹿か。」
「………ちぇ。なんだよなんだよしょーちゃんのケーチ。」
「馬鹿、お前は…」
「もう飯ン時に俺のオレンジジュースはあげないからな!!!」

「………おい、斑目。」
「……なんだよう。」
「そんなにだれているならば俺一人で行くが?」
「…………。」
「何だ其の目は。」
「っ……やったー!しょーちゃん大好きー!」
「気持悪い。引っ付くな。殺すぞ。」
「本気っぽいから離れます…。」

「でもどうやって出んのさ。無理じゃないー?もう夜だよー?7時ですよー?」
「黙れ。そんなもの如何にでもなる。」
「うっわー!しょーちゃんすってきぃ!」
「……」
「ごめんごめん、うそです。冗談だってば翔弥君。だからその鋭利な君の刃物を向けるのはやめてください、マジで。」
「ふん、黙って見てれば良い。どうやって此処から    抜け出すのかな。」

そして。
にやりと、不敵にそして楽しげにそしてほんの少しだけ僅かに哀しげに笑う少年は


真夏の深夜に徘徊を。
何時もどおりの血塗れの夏に別れを告げて。



次の外出の赤い飛沫の決意を。

(オリジナル)