枯れない花など無い、と、君は言うけれど。 枯れる花しか、おれはしらない。 「だから、ね。」 「枯れない花は、ないと思うんだ。」 「ある、だろ。多分。」 「何処に。見たことも聞いたことも、さらさらないんだけど」 「どこかに、あるんだよ。」 「…つまりは、戮の夢って訳?」 「だぁ!違う!夢、とかじゃ、ねぇの。なんつか…んー…そうであって、欲しい…。」 秘めやかに羨望の光を帯びたきみの瞳は とても綺麗。
(雑音叙情詩)
(レイキエムルートネタバレ) 「…それに、しても」 「なんですか?」 「あの…えっと……生きてくにしても、僕たち、どこで?」 「…………あぁ、考えてなかったですね。」 「えぇえ!?」 「そう、ですね。じゃぁ、あの森の琥珀を売るとか。」 「駄目ですよ!」 「いいんです。あの森の主はもう居なくなってしまいました、し。」 「レイ、キエム……あなた、かなし…」 「だから、あの森は私と貴方のものですよ。」 「………………んで、ないです、ね…」
(ラグリマ)
どうやら迷った。 そう発言したのは双子だが、すこし眉を顰めている戮のほうだった。 「…………え?」 珍しく呆然とする江夜にあぁ珍しいかもと呟いた戮が肩をすくめる。 「んー、なんか、これ地図、ややこしくってな。うん、迷った!」 「いや、そんな清清しげに言わないで。吃驚するから。もう、どうしたらいいかわからなくなるから。」 「なんだよ江夜が落ち着けよ。あはは、ドンマイ!」 「……少しは真面目に考えよう、ね。」 「…………了解…。」
手を広げる。 柄を、握る。 ぐ、と踏み込んで、勢いよく刀身を振り下ろす。 降り注がせた血の雨は生温いどころではない。まだ温かい、生き血。 ぺろりと舐め取ってみても、まずいとしか言いようがない。 汚い、血液。 そう思って吐き出す。飲み込むことは出来ない。鉄臭いだけの血液がどうしてだか苦く不味く感じたから。 手を掲げる。 握りこまれるのは小さな、黒い。 黒い鉄の塊を。安全装置をはずした唯の、凶器を、定める。 1拍で、終わる。 その、作業。ぐ、だとか、ぎゃ、だとか苦しむ声は聞こえるけれど、それも改良されたこれの前ならば本当に一瞬でしかない。 出血も、太い血管の集中する場所を狙わなければ、刀ほど酷くはない。 それでも其処を流れる赤い筋を。 見つめた。 「お疲れ様。」 「あぁ、そっちもな。」 双子は 今日も赤を眺める。
少女が笑う。 壊れた笑みで、にこりと微笑む。 そこでじっとしている気なの? 踏み込まない、の? 踏み出しは、しないの? 少女が笑う。 半壊しながら、問い掛ける。 ねぇ、進む気はないの? その足は歩みださないの? そこで、立ち止まる気なの? あぁやめて。 殻は壊さないで。 僕の、最終砦、を。 壊さないで。
(さんどめの、さよならの、うた。)