夢で見た、知らない、人を。
漆黒が流れるのはよく見えるのに――・・


彼に触れる事は許されないし、


何より私は彼の顔すら、見られないのだ。

 

 

 

 




闇楽夜。

 

 

 

 

 

 




最初に見たのは何時だろうか。

 

随分前から知っている気がしたので、あまり詳しくは覚えていない。
只それでも解る事は、私が後ろ姿だけで彼に惹かれてしまったという、紛れもない真実。
そして、毎夜それを自覚する度に睡眠を求める私の精神が体感する、覚えの亡いひとの、とても愛しい、記憶。

 



彼女は最も愛しくて最も大切にしなければいけないひとの為に翻弄し、それは非情にも報われる事無く、最後を看とる事無く、

 

それが

一度目の慟哭。

 

 

 


日毎日毎進む日々は夢でのみの私の“異空間”。

 


だけど、慟哭は止まなくて。

 

 

 





漆黒の舞うあのひとは。

 


あの夜私を、誰かの視点で見た時に私と誰かを導いたあのひとは。

 


顔だけを見ることができなかったあのひとは。


 

 

 



私達を裏切った。







 



私に記録を見せる誰かと、強く強く思考がシンクロする。

 

 




やめて

 


嘘だ


 


裏切らないで



 

 

 










「万歳楽――――っ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


枯れるほど叫んだのに、強く望むのに、


夢は、醒める。

刹那の涙が闇夜の記憶を、全て奪ってく。







光差すリアルは目覚めれ時、わからないけれど何時も残酷で。




涙は枯れてゆく。

記憶と夢と私の想いと、一緒に。

 

 

 

 



(平安編の二人は最後安楽死したようだったので…。渋谷の前夜…です、一発書きメンゴ(笑)片想い難しいヨ!)(しえさんに捧げます。こんなでごめんネ!!緋咲ノーマル初挑戦だぜ畜生!(笑)

(050424//Hisaki.S.)