崩れそうな心を、受け止めて欲しいと願うんだ。
とてもとても、強く願うんだ。
赤眼少年、運命より逃るることなかれ。
目の前に広がる――これは、何?
知らない物。
「…ぅ……あ…っ」
見たことなんかない。これは、何?
何かの欠片。
考えてみれば、あぁ、見たことが、あるかもしれない。
「……ぁああ…!!」
マユ?
「うぁああぁあ゛あァアアっ!!!!!!?」
しらない、しらない。
これは、何?
俺はこんなもの、しらないよ。
赤い海。可笑しいな、見たことがあるのは、蒼い海だけなのに。
如何して此れは、赤いんだろう。
如何して、マユの手?
マユは何処?母さんは、何処?あれは違う。母さんの体じゃない。違う。父さんは何処?見えない。もっと大きかった。あれは違う。父さんのじゃない。
これは違う、マユじゃない。
マユなんかじゃない。
マユはもっと、もっと小さくて…小さく、て。
如何して?如何して…?
俺の手は、ちゃんとついてるよ?
俺の下半身は、ちゃんと繋がっているよ?
俺から赤い血は、流れてなんか居ないよ?
「嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ…やめろ、嫌…嫌だぁぁ!!!!!!」
やめて。
俺を、壊さないで。
誰か、俺を。
助けて。
其れが出来ないんだったら誰でも良いよ。
誰か。
一瞬でも良い。
ほんの刹那で、いいから。
俺を、この薄暗い世界から、助けることが出来なくてもいいから。
光を見せて。
兆しを、少しだけ、見せて頂戴。
「っ……シン!」
見えた…?
此れは、光…否、違う、此れは。
此れ、は。
「れ……ぃ…?」
目の前に、きんいろが見える。
光じゃない。でも、今見ているのは暗闇じゃない。
「レイ…何……?」
「大丈夫か…?」
「あ……なん、だ…夢…?」
「そうだ、現実じゃ…ない。」
何時も表情を出そうとしないレイが、不安そうにしている。
きっと、恐らく。随分と喚いていたんだろう。
「っ……今、何時?」
がんがんと容赦なく内側を叩く頭の痛みに絶えながら、ゆっくりと姿勢をベッドの上に座った状態にしようとする。レイが少しだけ支えてくれたお陰ですんなりと楽な姿勢に為れた。
「まだ、朝じゃない。」
「そう…ごめん、起こした…?」
「いや…入って来たら、丁度魘されていた。何時に寝た。」
「わかんない。…訓練終わったあと、調子悪いから直ぐ…?」
「……夕食にこないと、ルナマリアが怒っていたぞ。お前をこれ以上細くしてたまるか、だと。」
「げ…明日の朝食まで怒ってそう…?」
「いや、半分は心配も入ってたんだろうな。お前、訓練の時真っ青だったぞ。」
「…うん、朝からなんか、調子悪かった。」
「素直に言え。」
「ごめん。」
謝ったと同時に、席を立っていた同僚が入れてくれたミルクティーを口にする。
最初、魘された時にも紅茶を入れようとしていたレイは、落ち着かせるためにミルクティーを作ってくれた。
自分は決して飲まないのに、それからは決まって、俺だけに淹れてくれる。
多分、美味しいと言ったから。
其れまでレイの淹れたコーヒー(奴はブラックを平然と飲む。尋常じゃない。)を心底不服そうに飲んでいたから、初めて美味しいといわれたミルクティーを、律儀に淹れるのだ。
「……ボギーワンの足取りは、依然つかめないらしい。」
「そ…っか。」
「……原因は、ユニウスセブンか?それとも、オーブか?」
「……オーブだよ。決まってんだろ…。」
「そうだな。心の狭いシンがユニウスセブンを気にするはずが無い」
「それ、失礼だぞ、レイ。」
「そうか?」
「そうだ。」
苛まれていた頭痛が、少しずつ止んでいく。
レイは、光だ。
髪の毛の色に、最初其れを見た。
でもそれだけじゃなかった。それだけじゃない。
彼は平然と。受け入れてくれる。
つい最近を例に挙げれば、カッとなって言ってしまった言葉をも、肯定してくれた。
――気にするな。俺は気にしてない。…お前の言ったことも、正しい。
救われた、とても。
不安定でどうしようもなかった。だけど、それだけで少しだけ、救われたんだ。
どうか。
彼に光を求めること。
罪じゃありませんように。
できるのならば、俺に。
ほんの少しの、拠り所を。
本当はこんなラブラブしないはずだったのに。
一発書って怖いね。緋咲です。昨日のことなのにもう脳味噌が忘れたがってます。痛い痛い。(イザ)
レイシンのようなレイとシンの話のような。
俺の書くこの2人はラブラブなんですか?(聞くな)
今現在進行形でプロット立ててるアスランとシンはがたがたぼろぼろのシンアスとかアスシンとか言い難いものなので、こっちもどうなのかと迷ってしまうんです。
とりあえず種の影響が出てきた。くそう。我慢してたのに。
…えぇ、もう手遅れだからね。其のうち開き直って今こつこつプロット立ててる(蒼穹夢よりも進んでたりする)運命夢も上げてしまうかもしれない、別邸に(笑)
そしたらすいません。とりあえずこれレイシンにしといて?(笑)
そんなわけでグロくてすいません。
緋咲でした。きゃー(逃げ)
050106++Hisaki.S.
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