喧騒。
正しく喧騒の他に無い騒がしさに眉を顰めた戮の横を、痛みやら傷やらそんな血生臭い物を一切感じさせない顔で江夜は清々しさすら感じさせながらスッタスッタと歩いていた。――AM8時、社会が行動を起こすそんな時間。
「あー…眠。っていうか、何で俺の横歩いたりしてるんだよ、何で学校行くんだよ江夜。大体その傷口俺の適当に縫ったヤツなんだから直ぐ解けるに決まってんだろ。ふざけんなよ、ふざけんじゃねぇよ阿呆かよ。っていうか何だソレ。何包帯ぐるぐる巻いてごまかしてんだよ、圧迫して糸切れて腸飛び出しても俺は知らねぇぞ。他人の振りして見て見ぬ振りするからな、もう絶対縫ってなんかやんねぇぞ。」
「…随分と、何時になくでもないんだけど…。その饒舌さからして不機嫌?戮。っていうか違うね、まだ目が醒めて無いんだね…。」
「当たり前だろ、この阿保片割れが。誰のせいで寝不足だ!」
まったく俺様の安らぎのひと時を減らしやがって、とぼやいた戮を横目でちらりと見ながらくすりと微笑んで、至って平凡なままに、人殺しの虐殺者達はブレザー姿でオレンジの電車に乗り込んだ。
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